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2014年3月29日

小さな"遊戯"

 深夜、父の唇が「おしっこ」と動きます。紙おむつのテープを取り、私は尿瓶を父に当てます。眠くてウトウトしたころ、かすかな声が聞こえます。

 「アリガト...」

 紙おむつを元に戻し、布団をかぶせて...。でも尿瓶には何もありません。父が導尿を始めて約3ケ月。当初はチューブが入ってるから、大丈夫だからと説明していたのですが、夜中、何度もおしっこという父が満足するならと最近は尿瓶をあてがうことにしました。

 それは父と私の小さな"遊戯"のようです。何も入らないとわかっている尿瓶をあてがう私、礼をいう父、そして病室に入ると、ベッド脇にある尿瓶を不思議そうに見る看護師。尿瓶はその遊戯の中心にあって、空っぽながらも、さまざまな思いを溜めています。(Z)

投稿者:W・I・N・G 路をはこぶ 日時14:03 | パーマリンク

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