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2014年10月 8日

祈り...

 「ちょっと行こうか」と誘われ、乗ったタクシーの行く先は神戸の湊川神社。楠木正成を祀る。もう夜遅く、境内には入られなかったが、門前で手を合わせた。勝負の神様から力をもらい、自身を鼓舞していたのか。

 高校野球指導者の上甲さんが先日亡くなった。私が御一緒させていただいたのは、20年以上前1993年のセンバツ。愛媛県立宇和島東高校を率い、その5年前には、センバツ初出場初優勝の快挙を成し遂げた。久しぶりの甲子園出場ということでその戦いぶりが注目されていた時だった。のちにプロ野球入りする平井、岩村、橋本らを擁し、その打撃練習を間近に見て、「これが甲子園のレベルなのだ」とわずかに少年野球経験者の私は目をむいた。

 しかし、対戦相手は、これまた名将・木内監督率いる常総学院。試合前夜、宿を訪ねた私を神社まで誘ったのは、どんな思いだったのだろう...。

 選手の素質をどう見抜くのだろうか。選手起用の妙というものは?まだ駆け出し記者だった私は尋ねることができなかった。おっかなかったのだ。ある日、ある選手を前にして、至近距離からのノックを何本も何本も浴びせた。彼は必死に食らいついていた。文字通り、私はそのすさまじさに息を飲んだ。それはセンバツを前にして選手の気持ちを奮い立たせるためだったのか。捕球の技術・才能を試したのか。それとも監督なりの彼への挨拶だったのか。彼はその後、レギュラーを外れた。今だったらその理由を聞けるだろうと思う。聞いてみたかった...。

 奥様に先立たれ、宇和島から済美高に移り、その後、投球回数をめぐる投手起用法で批判を受けた。対する発言が精神力至上主義的に受け取られもした。しかし、私にはあの夜、神頼みをしていた姿が心に残る。強さに潜む自身の心の弱さを忘れたかったのかも知れないと想像をめぐらしても、もう尋ねることができないほどに時間が過ぎてしまった。(Z)

投稿者:W・I・N・G 路をはこぶ 日時14:46 | パーマリンク

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