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2016年9月17日

YKK

YKK秘録」(講談社)がおもしろい。YKKとは言わずと知れた山崎、加藤、小泉3氏の頭文字。首相候補No1だった加藤氏は夢叶わぬまま鬼籍に入り、山崎氏は政治家を引退。結局、ダークホースだった小泉氏のみが首相となった。その山崎拓氏が"小選挙区制導入の混乱"や"加藤の乱"など当時の政界、個々の政治家らの動きを実名で記したメモを公開し、評判である。

 

 政治家の取材は、国会議員、地方議員を問わず苦手でした。彼らの言葉はメタファーに彩られ、込められたメッセージを読み取ることがなかなかできませんでした。いわゆる保守系大物政治家ほどこのメタファーが頻繁で、この人たちと本音の話などできるのだろうかと頭を抱えることが多く、自身の不甲斐なさを呪ったものです。言質を取られないよう周囲を煙に巻く一方で、激烈に動きかつ人を動かす、その人間的な魅力はどこから来るのだろうかとも考えさせられました。

 対して、弁護士や行政役人の取材は比較的得意でした。彼らの仕事がメタファーなど許されるはずもないこともあり、その言葉はストレート。関係性を作れば、言わんとすることは届きました。当時私の特ダネはほとんどこの分野からでした。

 では、福祉は?利用者さんの言説は?

 その言説はメタファーだらけのように見えます。利用者さんの主張の判読はなかなかだし、一見その必要がないような福祉制度においても、制度が言わんとする支援の中身は、実は法律の条文では分からず、それは役人も気づいていないところにあるように思います。それが分かるのには、読み取る力はもちろんのこと、経験という時間が必要でしょう。またしても自身の不甲斐なさを感じてしまい...。

 が、性急な若者はそのような時間を"無駄"だと感じるようです。目に見える形式を是とし、それ以外の形式は、その形式を選択する者の不手際を詰るという構図。え?相手が悪いのか??わかりやすい、"いや、実はね..."といった2ちゃんねる的言説を信望するかのような言葉を聞くときは、悲しみすら覚えます...。

 私たちの仕事の言説はいったいどこにあるのでしょうか。個々人の価値観の相違という言葉で片づけてはならないのだと思いますが、どこにあるのかわからない...あぁ、不甲斐ない...(Z)

投稿者:W・I・N・G 路をはこぶ 日時17:14 | パーマリンク

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