ブログの写真

2017年1月21日

キブツ


 アテネの安宿はかつてバックパッカーの溜まり場でした。ある同宿人がイスラエル出身。「岡本公三を見たことがあるよ」と声かけてきました。結局真偽不明でしたが、仲良くなり、「イスラエルに来たら寄って」と手渡された住所がキブツでした。

 「あぁ、社会科で習ったなぁ」とぼんやりとした記憶で訪ねたキブツでしたが、「おぉ、これが共同社会の実験場かぁ」と興奮。その友人の実家に少しお世話になることにしました。

 キブツでは外国人をボランティアとして受け入れていました。シオニズムに共感しているとか、していないとかは関係はありませんでした。ボランティアは食事を無料で提供され、一定程度の労働(農作業など)を行います。当然、ヘブライ語などできるはずはありませんが、旅行のついでにキブツに寄り、イスラエルの社会の一端を経験しながら、また旅を続けていく...。「こうして自らの社会や思想、その実践を知ってもらう、PRする方法もあるのだなぁ」と感心したものでした。

 

 もう10数年前、韓国とのワーキングホリデー制度が始まった際、就労場所がなく帰国する韓国人青年が多いとの新聞記事を見つけた時、結びついたのがこのキブツでした。私たちの活動を外国人青年が経験し、重い障害を持った方々の存在を知り、また逆に重い障害を持った方々もスタッフも外国人青年との時間を持つことで世界の一端を知ることができる。そして早晩帰国するにしても、私たちの思いを彼らが母国へ持ち帰り、何らかの形で種を蒔いてくれるのではないか。

 

 ただキブツでは、イスラエル人と外国人青年の人的交流は活発ではありませんでした。せっかくの大きな共同食堂でも外国人は外国人で集団を作ってしまう。私たちのところではそうならないようにしたい。彼らにもミーティングに参加してもらい、様々な活動に自発的に参加してもらい、交流を深めてもらいたい...。

 

 漠然とした思いで始めた外国人青年の受け入れも、すでに経験者は150人を超えました。韓国、ドイツ、フランス、台湾、デンマーク...。しかし、実際の活動では課題は多く、10数年たった今も当初の目論見を果たせたとは言えません。不平不満は日本人、外国人双方から出ます。「何しに来てるんや!」と言いたい子もいます。それでも、ようやく福祉における「介護ビザ」発給が目前に迫った昨今、外国人がいる風景が当たり前のようにあるこの場、安い労働力としてではなく"同僚"として捉えようとするこの場の存在は、ますます日本の福祉のなかで重要性を帯びるのではないかと考えるのです。(Z)

投稿者:W・I・N・G 路をはこぶ 日時17:04 | パーマリンク

WINGのサイトはコチラ
2011年3月以前の記事はコチラ

検索

ブログの検索